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がん専門医の臨床研究

水素吸入と高濃度ビタミンC点滴によるORP値の変化

平成28年6月11日、第16回日本抗加齢医学会総会において、弊社の専任アドバイザーであるがん治療専門医が、がん患者に対し高濃度ビタミンC点滴と水素吸入による唾液ORP値の変化に関する検討に関する臨床研究を発表いたしましたのでご紹介します。

今回の臨床研究の成果は、がん免疫栄養ケトン食療法セミナーの講義の中でも紹介されています。
がん治療にご関心のある方、抗癌剤治療中の患者さんやご家族の方でご興味のある方はご参考にされてください。

第16回日本抗加齢医学会総会の臨床研究発表-抄録

がん患者に対し高濃度ビタミンC点滴と水素吸入による唾液ORP値の変化に関する検討

医療法人 輝鳳会 池袋クリニック
古川健司、車田尚美、甲 陽平

(目的)水素は、活性酸素のなかでも選択的にヒドロキシルラジカルを消去するが、抗癌剤はヒドロキシルラジカルを発生させる代表的な物質である。
そのため、抗癌剤治療中の患者さんのORP値は高いことが予想されるが、水素吸入を行うことで、ヒドロキシルラジカルが消去され、ORP値が低下するかどうかを検証する。
また、抗酸化療法の代表格である高濃度ビタミンC点滴を併用した場合のORP値の変動も合わせて評価する。

(方法)今回、我々は、平成27年5月21日~6月24日の約1か月間、は当院を受診されたステージⅣのがん患者31人とがんサバイバーの方7名に、水素酸素発生装置(Suisonia)を30分間吸入してもらい、吸入前後でのORP値の変化を、唾液ORP測定装置を用いて計測し、抗癌剤併用の有無、高濃度ビタミンC点滴の有無で、唾液ORP値の変動を調べた。

(結果)総合評価では、ステージⅣのがん患者さんの平均唾液ORP値は、75mVと高く、水素吸入や高濃度ビタミンC点滴などの抗酸化治療を受けると、30.7mVにまで低下し、その変動幅は、-44.3mVとなっており、抗癌剤治療を受けている患者の方が、その変動幅が大きく、ヒドロキシルラジカルが多いことが示唆された。

水素酸素吸入単独と水素酸素吸入+高濃度ビタミンC点滴との比較では、前者の平均ORP値が-29.1mV低下に対し、高濃度ビタミンC点滴を併用した方が、唾液ORP値の変動幅が、-78mVと2倍以上の開きがあり、ビタミンCにより、他の活性酸素である過酸化水素(H2O2)が消去されていることが示唆された。
一方、がんサバイバーは、唾液ORP値が48.4mVと低く、活性酸素がもともと少ないと思われた。

(結語)総合評価では、ステージⅣのがん患者さんの唾液ORP値は、 抗癌剤治療を受けている患者の方が、その変動幅が大きく、ヒドロキシルラジカルが多いことが示唆された。 水素酸素吸入に高濃度ビタミンC点滴を併用すると、より効果的に唾液ORP値を下げることができると思われた。

 

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